補聴器の種類



耳 穴 型

耳穴型補聴器は、耳の中に補聴器が収まるタイプのもので、そのほとんどは耳の形(インプレッション)を採り、オーダーメイドで作られます。(サイズは装用される方の耳の大きさに影響されますので、必ずしも写真のように仕上がるわけではありません。)

価格は片耳11万円~60万円前後まであり、基本的には形が小さく多機能になるほど価格は高くなります。

耳穴耳型補聴器の利点は、
①補聴器の音を出すレシーバーがより鼓膜面に近く効率がよい。
②汗による故障が少ない、
③外見上目立ちにくく、脱落しにくい。
④耳(耳介)の集音効果が活かせる。

 

耳穴型補聴器の弱点は、
①耳の状態が中耳炎などによる耳漏のある場合に使用できない。(症状の悪化と補聴器の故障が頻発する可能性が高いため)
②構造上、強力な音を出した場合に発振やハウリングが起こりやすいため、高度・重度の方には向かない。

③高齢者の方には取り扱いしづらい場合がある

 


耳 掛 け 型

 

耳穴型と並んで多く普及しているタイプで、軽度から重度まで様々な状況に対応できる器種が豊富にあります。
最近ではかなりの小型化が進んでおり、装用感も軽くなり、外見上も以前に比べて目立ちにくくなってきました。

補聴器本体の色もメーカーや器種により多くの中から選べるものもあり、より選択の幅が広がってきました。
装用の際にはイヤーモールドを使用されると、ハウリング(ピーピー音)や、脱落を防止できます。

価格は片耳10万円~60万円前後と幅が広く、補聴器の機能により様々です

 

耳掛型補聴器の利点は、
①比較的小型で、装用も楽である。
②電池の寿命が長い(一部機種を除く)
③価格的に手頃である。(一部機種を除く)
④耳に耳漏がある場合でも故障が起こりにくい。(RITE機種を除く)

耳掛型補聴器の弱点は、
①汗などによるトラブルが起こりやすい。(最近の機種では防水型の耳掛型が登場し、故障が少なくなってきています)
②補聴器と耳栓をつなぐチューブに結露を起こしやすい。(RITE機種を除く)
③耳の形により安定しない場合がある。

 

 

箱 型

古くから愛用されてきた箱型補聴器ですが、現在では耳穴型や耳かけ型の普及に伴い、箱型の製造を中止したり器種を減らすなどの状況があります。
しかしながら、日本では根強い人気があり近年デジタル補聴器の箱形も登場しています。
実際の使用においては補聴器をポケットに入れたり、付属のソフトケースを首からぶら下げるなどして使用します。

ご自身で補聴器操作が困難な場合でも、他の人が補聴器本体をもって話しかけながら音量を調節することにより、うまく使いこなす事が出来ます。

価格は7万円~10万円前後とお求めやすい価格です。

箱型補聴器の利点は、
①補聴器の操作が苦手な方でも比較的使いやすい。
②電池の寿命が長い。(単3や単4電池を使うため)
③耳かけ型に比べて強力な器種がある(一部機種)

箱型補聴器の弱点は、
①コードやケースのひもが装用時に邪魔になる。
②外見上目立ちやすい。
③耳穴型や耳かけ型に比べ音の入る範囲が狭い。
④装用中に動くと、衣擦れ音が入り不快である。

 

 

メ ガ ネ 型

 

メガネ型補聴器には気導補聴器と骨導補聴器があります。
最近では製造しているメーカーや器種が非常に少なくなってきました。
限られたメーカーでのみ製造されている貴重な補聴器です。
価格は15万円~25万円前後です。

メガネ型補聴器の利点は、
①外見上、補聴器を装用しているとは分りにくい。
②耳漏が多い方でも耳穴を塞がないので清潔である。(骨導の場合のみ)

メガネ型補聴器の弱点は、
①補聴器が故障した場合、メガネとして使えない。
②汗による故障が多い。